Wednesday, July 26, 2017

『人間模様』『あの手この手』

初期市川崑を2作連続でみまして、やっぱりめちゃ好きだ!となりました。

『人間模様』
四角関係の恋愛劇として新しすぎて、すごい戸惑ったんだけど、端々のせりふがね、もう~~~ッ!ダンダンダン!(拳を床に打ち付ける)これ和田夏十脚本第1作目らしいんですけど、これ夫婦で書いたのすごい。へんてこ夫婦だ!ギョッとしたのは、お嬢様役の月丘千秋に「セックス」って言葉をせりふで言わせたところ。そんで、男女ともに性欲は愛情と切り離してセフレで満たせるんじゃないかって思って実験をした、みたいなこと言うの。1949年に!しかも、ドイツ表現主義っぽい演出で。すごい。とにかくびっくりしました。あとこの映画の、何と言ってもってみどころは、上原謙のつかめないボンヤリ具合なんですけど、そんな上原謙に対して、先述の発展的月丘千秋が腹立ちまぎれに叫び放つ「あなたって神様みたい!」の切なさ?どうしようもなさ?ね!字面だけ見たら、それって普通はlikeの意味じゃん?ちがうの!最大のdisなの!すごいな~!それから山口淑子が、上原謙のこと好きになっちゃだめって自分に言い聞かせる独白も、真理のみ、一切の無駄がないのにドラマチックで、ウワーッ!ってなりました。また始終そんななのに、映像はディズニーアニメみたいなのもちぐはぐで、とにかく、とにかく新しすぎた!100パーセントのちからでおすすめはできないけど、「なんか新しいもの」がみたかったらぜひ、です。

『あの手この手』
中年の恐妻家DINKSのもとにお転婆な姪が転がり込んでくるって、小津安二郎の『淑女は何を忘れたか』とほとんど同じようなモチーフなんだけど、マッチョで下世話な小津安二郎と、もうぜんッぜんちがうの!正反対!正反対で最高!や、映画の出来自体はちょっとよくわかんないんだけど、結の部分ね。これは深い愛の話だな~!ありがたくて、泣きました。そう、ありがたい!ありがたいよ~~~!「上手にお怒りになっていたわ」ってせりふが最高に実直で大好き!だって、上手に怒るのってすごく難しいじゃないですか、それを尊敬するひとに言われたら、わたしなら愚直にうれしいって思っちゃうんだけど、でも、バカにしやがってって思うひともいるかもしれない。だからこれは危険な橋ですよ。でもそれを、"結"の主旋律で言わせたの!最高じゃん・・・1952年のみなさんはどう思ったかわからないけど、わたしはこれ以上ない答えだと思います。


森雅之の板書がめちゃよい。

初期市川崑、ちょっとずつみていく度に新鮮なので、残りの駒が少なくなっていくのが悲しい。もっとソフト化してくれ~!

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