Thursday, December 15, 2016

暖流


暖流 @京都文化博物館フィルムシアター

暴風雨みたいなノイズのなか、ひたすら、モノクロの美しさにくぎ付けの124分。あらすじを聞いて、金、権力、プライドetc.的な映画かと思っていたら、なんとまあ、1939年のスイが詰まった麗しいメロドラマでした。

もうね、とにかく、男女問わず皆さんの所作が美しいの。壁に身を隠すときの曲げられた肘の角度、男が女の肩に乗せる手のさばき、たばこの煙をくゆらす様、それはもう、マイキョにイトマがないほど!

1930年代の、戦前の、日本の色恋がどんなものだったか、リアルというのがもうまったくわからないんだけど、この映画に出てくる女たちが、この時代にしては、どんなに自由で美しく気高いものだったか、それくらいはわかります。本当にね~、もう!もう~ッ!ダンダンダン!(こぶしで机を叩きながら)

この、御茶ノ水の喫茶店でのシーン。


(高峰三枝子のこの帽子・・・!)

黒と白とのコントラストと、「わたしたち、みじめな女になるのだけはやめましょうね」って同盟を組む女たちの美しさ!そりゃ、高峰三枝子はまっさらなお嬢様だし、一方の相手は流れ者の看護婦なわけだけど、それぞれに向かうべき美しさがあって、プライドもあって、はっきりした意志があって・・・そして鳴る鳴る、ニコライ堂の鐘の音。ああ、最高です!(でもちょっと高峰三枝子が高慢っぽくなっちゃう、けどその切なさもまたいいです)

佐分利信ももちろんよかったよ!カバみたいな顔してさあ、情けなかっこよかったの(でも仕事は敏腕)!この時代にして、ジェンダー倒錯の構図を表そうとしたら、意中のお嬢様に結婚を申し込むもフラれ、告白してきた女の情になびくっていう図式になるのが、新しくも精一杯だったのかなあと思って、なるほどってなった。水戸光子との関係の始まりが「友だちになろう」って握手するってところもよかった。

友だちといえば、精神科医の博士の感じもよかったよ、あの感じが好きな女の人、21世紀でも多い気がする。

ほか、麗しポイントといたしましては

・高峰三枝子の兄の贅沢な暮らしぶり!ルビッチの映画かよ~!最高最高お洒落!


・高峰三枝子が水戸光子との友情をとって、佐分利信の求婚を断る決心をした、菊の花びら風呂の描写!ギャーッ!身の毛もよだつほどの高潔な美しさ!

・笹島さんを演じた徳大寺伸の所作、所作、所作!超キモい男なのに、ひたすらエレガント。それがまた超キモい!でもずっと見てたい、でもキモすぎる!イヤ!みたいな。



などなど。

4Kデジタルリマスターなんないかなあ。ハア~、きれかった!

No comments:

Post a Comment